転職先を見極めるポイント
自分に合った施設を見つけるためにまず意識すべきなのが、転職の「軸」を定めることです。何となく転職すると後悔をすることになります。自分が何を重視して転職するのか、あらためて明確にしておきましょう。例えば、身体介護や認知症介護のスキルを身につけたい場合、老人保健施設よりも特別養護老人ホームの方が向いています。老人保健施設に向いているのは、医療ケアやリハビリなどの専門知識やスキルを学びたい人です。
その上で自分がこれまでどのような経験を積んできたのかを思い出してみましょう。自分の強みや弱み、仕事に対する価値観を洗い出すことで今後歩むべきキャリアも見えてきます。
次に、しっかり情報収集をした上で比較検討しましょう。老人保健施設の仕事は他職種との連携がカギとなりますが、施設によっては医師の発言権が強く、入居者の生活よりも病気やケガの治療を重点的に行っている場合もあります。介護士として自分が希望する働き方ができるかどうかを事前に確認しておきましょう。入居者・スタッフの人数も働きやすさに影響します。求人情報や施設のホームページだけでなく、口コミサイトなどを利用しながら内情を探ってください。その上で給与や福利厚生、教育体制、夜勤体制などを調べて、複数候補をピックアップして比較検討しましょう。
掲載されている求人情報だけでは分からない部分もありますので、施設見学に行きましょう。直接足を運んで現場を見ることで、職場の雰囲気や人間関係、入居者の様子などを確認できます。転職後に感じるギャップとして多いのが、「入居者と密に接しながら介護のスキルを磨きたかったのに忙し過ぎて流れ作業のように仕事をするので精いっぱいだった」「老人保健施設で医療と介護の連携について学びたかったのに実際には指示されたことをこなすだけだった」といったものです。このようなミスマッチを防ぐために、気になる点や不安なことは曖昧にせず、入職前に確認しておかなければなりません。入職後のギャップに苦しむことがないように、内定が決まった後も労働条件通知書の内容を再確認するなど、気を抜かないでください。
また、第三者から情報を得るのもおすすめです。自力で転職先のことを調べても、得られる情報の量には限界があります。そこで利用をおすすめしたいのが転職エージェントです。転職エージェントについては別頁で詳しく紹介していますので、そちらも併せて確認してください。